仮想私事の原理式

この世はワタクシゴトのからみ合い

バッテリー3



8月になってしまった……なんか焦る。
なんというか、月の変わり目はいつも焦る。

それにしても、暑い。
そして何故か、ゴキブリが出た。

部屋で寝転がっていたら、足に何かがぶつかってきて動いたので、振り払ってみたら、彼だった。

彼と会ったのは随分久しぶりだったが、彼にあまり元気がなかったためか、焦らずに冷静に対処できたと思う。
自室には殺虫剤などの近代兵器がなかったため、原始的な攻撃方法になってしまったが。

1.まず本当に彼であることを目視、確認。
2.周囲を観察し、武器を選択(ここではティッシュ箱を選択)。
3.攻撃。この際、あくまで行動を一時不能にさせることが目的なのでソフトに。
4.ティッシュを5枚以上用意し、それを二つ折りにして8枚以上の暑さにして、捕獲。
5.さらに2枚のティッシュを追加(できれば新聞紙も)し、丸める。
6.圧殺。

終わったあとは、よく手を洗いましょう。


 * * * * *

バッテリー 3 (角川文庫)
あさの あつこ
角川書店
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「巧。おまえにだけは、絶対負けん。おれが、おまえにとってたったひとりの最高のキャッチャーだって心底わからせてやる」三年部員が引き起こした事件によって活動停止になっていた野球部。その処分明け、レギュラー対一年二年の紅白戦が行われ、巧たちは野球が出来る喜びを実感する。だが未だ残る校長の部に対する不信感を拭うため、監督の戸村は強豪校、横手との試合を組もうとする…。一方、巧と豪の堅かった絆に亀裂が入って!?青波の視点から描かれた文庫だけの書き下ろし短編「樹下の少年」収録。

 よく、「部活動は教育の一環」で、チームワークやフェアプレー精神、努力・友情・勝利などを身に付けたり、経験したりするのが目的だと言われたりする。それは確かにその通りで、自分も部活を通してそういった経験を少しは出来たと自覚している。が、それは後になってからの話で、やってる本人達は、そんなことはあまり考えてないと思う。
 そのスポーツや活動が面白い。好き。だから、やる。人格形成とかお題目なんて、気づいたら付いてくるオマケに過ぎない。そんなことを思い出しました。

 もし教育者側が、この「気づいたら…」の部分を意図してやっているなら、効果的手法だなぁ。そのためには、「教育の一環」とか「学校のもの」とかを表に出すのは、逆効果だと思うんだけど、どうだろう。やってる奴には、多分どうでもいいことにしか聞こえていない、むしろ邪魔に感じているだろう。

 沢口に「(巧が)友だちだから、信じてるんだよ」と小野先生が声を掛けるのに対し、豪が、「プレイヤーとして当然のこと…『友だちだから、信じてる」なんてことにすり替えてしまってはダメなんだ」と考えているところが印象的。純粋に取り組むってこういうことなんだろうな、と感じられた。