「人の命は地球より重い」という人に捧げる計算
今日はひねくれ坊主モードです。いつもひねくれてるって? そういうアナタがひねくれ者です。
くだらない動機から、計算をしてみました。
ブラックホールってありますね(見たこと無いけど)。光さえも脱出不能な特異点。太陽の30倍以上の質量を持つ恒星が最後に超新星爆発を起こし、そのときの圧と重力で星の内部が中心に向かって収縮し、重力崩壊を起こしてブラックホールとなる、らしい。
地球のような惑星は超新星爆発なんかするわけもなく、静かに冷えていくだけなんだけど、地球を直径約2cmに縮めると、ブラックホールになるらしい。
地球の直径を、まぁ小さめに見積もって約12000km=12000000mとして、直径2cm=0.02mとの相似比を求めると、
0.02:12000000
= 1:600000000
= 1:6.0E8 (E8とは「×10の8乗」つまり1億倍を表します)
となります。したがって体積比は
1^3:(6.0E8)^3 = 1:196E24
となります。
つまり、地球の密度を約196E24倍、一億倍の一億倍の一億倍の196倍すれば、ブラックホールになります。
………マジで?
凄いなぁ…、アボガドロ数より大きいじゃん。
「人の命は地球より重いんだ!」
という人に対して(まだ会ったことはないけど)、
「じゃあ地球はブラックホールになっちゃいますね」
と軽やかに返したいと思って計算してみたんだが。
地球人口が今のところ、64億7千万くらいなので、地球の体積がほぼ変化無しだと仮定しても、質量が64億7千万倍にしかならない。
ということで残念ながら、これではブラックホールにはなれない。
むぅ。
しかし恒星には余裕でなれそうだ。太陽の質量は、地球の約33万倍だから。地球の体積をそのままで、質量を64億7千万倍にすれば、楽に恒星になれるんじゃなかろうか。
……おや?
64億7千万を33万で割っても、まだ19600倍ほど残っているぞ?
ということは太陽の30倍の質量の恒星でブラックホールに成れるんだから、地球の質量を64億7千万倍したら、最終的には超新星爆発してブラックホールになれるのではないか!?
ということで、
「人の命は地球より重いんだよ」
「じゃあ地球は恒星になって超新星爆発してブラックホールになっちゃいますね」
と言えることになりました。
うん、なんか色々と理屈が間違っていることは分かるが、どこが間違っているか分からないぞ!1(・∀・)b
まぁ、「人の命は地球より重い」と言う人は、命の尊さを訴えようとしているのでしょうが、地球であろうと何であろうと、なにかと比較して表現しようすることが、その対象の価値を下げる場合があることを考慮すべきだ。場合によっては、その対象を軽んじることにすらなる。自分の言葉に酔って、思考停止視点じゃないかと思う。
命は良くも悪くもプライスレスだと思う。そして地球もプライスレス。なんというか、土俵が違う。命の上であれこれやってる人間が、その土台に対して価値のあるなしを喚くのもおかしな話だ。
まぁ、何が空しいって、こんな計算をしてる自分が一番空しかったりするんだが。