ORよりAND
以前、「ORよりANDが大切だ」という話を聞いた。
理系でORとANDというと論理和と論理積になるが、そうではなく、『〜か…』とか『〜だけ』(OR)ではなく、『〜も…も』(AND)の発想が大切ということ(ちなみに論理和・論理積だと、ORの方がANDより大抵大きい。面白い)
「生きがいを取るか、お金を取るか」(OR)ではなく、「生きがいもお金も大事」(AND)
「組織を尊重するか、個人を尊重するか」(OR)ではなく、「組織も個人も大事」(AND)
これを聞いたとき、欲張りな考え方だなぁと思ったけど、とても魅力的に思えた。
もちろん、世の中甘くないから何かを手に入れるために他の何かを犠牲にしている、というのは普通かもしれない。
金を手に入れるために不休で働いて健康を失っている。
地位を手に入れるために家族を犠牲にしている。
夢を追うために周囲の人間に負担をかけている。
現実の安定を得るために夢を諦めている。
その逆も然り。
二兎追うものを一兎も得ず。
虻蜂取らず。
上記は、欲に任せてアレもコレもという例が多いから、ちょっと問題が違うのかも知れないけど、それでもやはり、「〜も…も大事にする」というのは、なかなか難しいのかもしれない。
しかし両方とも大事で両方とも得られる道があるなら、その方がいいのは当然だ。「世の中、どちらか一方は諦めなきゃ…」「何かを得るためには、何かを捨てなきゃ…」それは確かに真の場合も多々あるが、はじめから決め付けたくはない。基本的にモノを捨てられない人間なので、できれば何も捨てたくないのだ(捨てたほうがいいものは捨てるけど)。
だから「ORではなくANDで」という話を聞いたとき、「欲張りかもしれないけど、そう考えてもいいんだよな」と思って嬉しくなった。
余談だが、ブルース・リーは「考えるな。感じろ」と言った。その響きの良さに、「考えるより、感じろ」と知ったようにいう人もいる。でも、僕に言わせれば(エラそうだな…)「考えるのも、感じるのも大切」。考えるだけではダメだし、感じるだけでもダメ。考えることは人間の最大の武器の一つだし、そもそも人間は自らの感覚・感情の枠の中でしか生きていないから、心身や世界について感じることも不可欠。「考えるのも、感じるのも大切」
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