仮想私事の原理式

この世はワタクシゴトのからみ合い

機動戦士ガンダムTHE ORIGIN(10)



帰宅途中の読み物として、ちょうど発売していた安彦良和の「GUNDAM THE ORIGIN」10巻を購入。
古本で出るまで待とうかとも考えたが、我慢できず。


 安彦さんのガンダム THE ORIGINはやっぱり良い。ガンダムの漫画化は今までかなり数があったと思うけど、正直どれもこれも面白くなかった。なんというか、絵が動いていない(自分で言ってて解ってないが)。なんでだろう?キャラを似せることに一生懸命だからか? いや、その割には似てなかったりするし……。
 しかし、安彦氏の描くガンダムは、今までとは桁違いに良い。絵はもともと最上級だし、ガンダムのキャラデザイナーだし、そして何より、絵が動いている。もともと安彦さんはアニメータ出身で、昔はよく「止め絵」と言われて非難されてたらしいけど、いまやその止め絵を使って、独特の動きを表している。ガンダムのようにに既に形が出来てしまっているものを新たに描くには、安彦氏くらいの力が必要なのかもしれない。

 コマ割とか表現とか上手いのは勿論だし、ガンダムという物語をトレースするだけでなく、ちゃんと消化して、安彦さんなりの解釈で描いている。それがまた面白い。特に今回は原作では描かれていないところなので、どうなるのか興味深い。

 これ以上のガンダム漫画化作品は無いだろう。バスケ漫画ではスラムダンクが別格のように、ガンダム漫画ではオリジンが別格。
 原作(?)と多少設定が異なるところもあり、そこが気になるといえば気になるが、それについて文句を言うもんでもない。ガンダムを知ってる人間はもとより、ガンダムを知らない人間でも楽しめるんじゃないかと思う。…やはり、知ってないと無理か? 自分では確認のしようがない。

満たされた帰路でした。